がんと向き合い生きていく

コロナ感染の克服と経済再生のカギはPCR検査を多く行うこと

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 もし、検査試薬が足りないというのなら、「その国内生産は難しいものではない」と、ノーベル医学・生理学賞を受賞された京都大学名誉教授の本庶佑先生は書いておられます。

 日本では大規模なPCR検査が行われないのはなぜなのか? 政府は明らかにしていません。検査を多く行って陽性者がたくさん出た場合の対応を心配しているためでしょうか……分かりません。

 厚労大臣のほかに経済再生大臣がコロナ対策担当であることについても、その仕事の振り分けも分かりません。

 健康と思われる方の中にコロナ陽性者がいる。そしてその方が感染のもとになる。だからこそ、発熱がなくとも検査をたくさん行える体制が必要で、そこに財源を投入すべきです。

 コロナ感染の克服、そして経済再生――そのカギはPCR検査を外国並みに健康な方にもたくさん行うことにあると思います。

4 / 5 ページ

佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

関連記事