独白 愉快な“病人”たち

頭木弘樹さんは潰瘍性大腸炎で13年間入退院を繰り返し…

頭木弘樹さん (撮影)八雲いつか

 しかも、これがこの病気の困った特徴のひとつなのですが、なぜかその後に血便も下痢もすっかり治ってしまったんですね。1カ月ぐらいは正常でした。再び下痢と血便が始まっても、「今回も治るはず」と放置してしまいました。

 その後、やはり治らないので3度目の病院に行きました。その時も結局、血便を言い出せず終わったんですが、あまりに下痢が続くということで医師に「注腸検査をしましょうか?」と提案されました。ただ、検査の内容を聞くと、カエルのお尻にストローをさして膨らますような検査と説明されて、お断りして帰ってきました。

 そのうちどんどん悪くなって、1日に30回ぐらいトイレに行き、血が混じるどころか血しか出ない状態になりました。熱は出るし、動けなくて家から出られない……。

 助かったのは、欠席が続いているのを心配して来てくれた友人のおかげです。ゲッソリした僕を見て、すぐに救急病院に担ぎ込んでくれました。腸内は大出血していて、血液検査をされた途端に貧血で倒れました。その後、例の注腸検査ですぐに「潰瘍性大腸炎」と診断され、即入院となりました。

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