心臓・血管の専門医が解説 夏の正しい「塩分」の取り方

取り過ぎは要注意(C)日刊ゲンダイ

 これをクリアするのは難しい。国民健康・栄養調査(2018年)では、日本人の1日当たりの摂取平均値は男性11・0グラム、女性9・3グラムと目標を大きく上回っている。私たちの食生活は、たとえばカップ麺をスープまで飲めば5グラム前後の塩分を取ってしまう日常があるのだ。各学会による塩分摂取量の目安は、高血圧の人は1日6グラム未満(男女)、腎臓病の人は同3~6グラム未満(男女)と厳しく定められている。

「特に高血圧の人は塩分の量を抑えることを意識する必要があります。そうしないとやがて血管を傷めて、心臓や脳の病気を引き起こすことにつながっていきます」

 塩分の量に配慮しつつ、夏場は脱水症状に気をつけたい。

「脱水状態になると、血液を構成する血漿成分(水、電解質、アルブミンなど)と血球成分(赤血球、血小板、白血球など)のバランスが崩れ、血液がドロドロになって、血栓ができやすくなります。血栓が心臓や脳の血管を詰まらせると、急性心筋梗塞や脳梗塞などの大きな病気になります」

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