「地域医療が崩壊しないためにも、社会的配慮が必要とされる人への一層の感染防止対策が重要です。万が一、施設などでクラスターが発生した場合は、災害発生時の対策のように現地に専門家を派遣し、行政とチームを組織して対応することが必要でしょうね。高齢者や障害者などの要配慮者も地域で安心して暮らすことができるように、地域全体で支えていきたい。感染症に強い地域にするためにも、地域包括ケアの充実は欠かせないものだと思っています」
団塊の世代が後期高齢者に達する2025年はそこまで迫ってきた。一方で、みとりを念頭においた在宅医療や緩和ケアも、少しずつではあるが浸透している。
ここで足踏みは許されない。
(おわり)
(取材・文=稲川美穂子)
在宅緩和医療の第一人者が考える「理想の最期」