ビートルズの食生活から学ぶ健康

ポールとリンダは子供たちに「菜食主義」を強要しなかった

ポール・マッカートニー(C)Ronald Grant Archive/Mary Evans/共同通信イメージズ

 菜食主義とカントリーライフを基本にした暮らしを始めたポール・マッカートニーと妻のリンダ・マッカートニーですが、1971年、2人は「ウイングス(Wings)」を結成します。新たな音楽活動のスタートでした。メンバーには、元ムーディー・ブルースのデニー・レインも含まれていました。

 81年に解散するまでに、7枚のオリジナルアルバムと1枚のライブアルバムを制作。いずれも世界中で大ヒットしました。動物愛護の思いが込められた「メアリーの子羊」をはじめとして、「マイ・ラヴ」「ジェット」「バンド・オン・ザ・ラン」、そして映画の主題歌にもなった「007 死ぬのは奴らだ」など数々のヒット曲を世に出しました。バンド結成後はバスによるツアーも精力的にこなしました。

「頭のあるものは食べない」と決めたポールとリンダは肉類、魚類を全く取らない菜食主義者になりましたが、周りの人間にそれを強要したり、菜食主義以外を否定したりするようなことはなかったようです。自分の子供たちに対しても同様でした。リンダ自身、家庭では菜食主義に基づいた料理しか作りませんでしたが、子供たちにはこう言っていたそうです。「(肉や魚の)料理をしたいなら料理をしてもいいし、レストランで食べてもいい」と……。

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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