こうした完璧な手術をするために重要なのが、事前の準備です。術前にしっかり検査を行って設計図=地図を作り、その設計図に沿ってどれだけ正確に実現できるかにかかっています。
近年、CTやエコーといった画像診断の技術が急速に進歩していて、患者さんの心臓の状態を平面ではなく立体的に把握することができるようになりました。事前に3Dプリンターを使って患者さんの心臓を作り、人工血管の通る最適なルートや理想的な完成形をデザインしてから手術に臨むのです。こうした方法はすでに循環器内科が行う血管内治療の分野で行われていました。それを外科手術でも取り入れることで、患者さんにとって満足度の高い手術が実現できるようになったのです。
今回の弓部大動脈瘤の手術で、事前の設計図作りの重要さをあらためて痛感しました。
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上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」