独白 愉快な“病人”たち

活動弁士の片岡一郎さん網膜剥離になって「厄年の意味を実感」

片岡一郎さん(C)日刊ゲンダイ

 今どきは、幸か不幸かネット検索で何でも調べられるので、だいたい察しがつくんですよね。自分でも網膜剥離っぽいなと思いながら、一方ではもう少し簡単な病気の可能性も捨てきれません。「点眼薬で治るやつだったらいいな」という願望と、「いや、さすがにこれは網膜剥離でしょ」という思いが行ったり来たりしていました。

 紹介された大学病院を受診すると、当然のようにそのまま1週間入院になりました。予想していたものの入院準備をしていかなかったので「一度帰りたい」と言ってみましたが、「ダメに決まってるでしょ。歩く衝撃でさらに剥がれますよ」と言われて従うしかありませんでした。

 手術はそれほど難しくないという説明を受ける中で、ビックリしたのは「視力を調整することもできますよ」と言われたこと。白内障の手術のように濁った目のレンズを吸い取って、人工レンズを入れるので、めちゃめちゃ良い視力にもなれると聞きました。でも、左右で違いすぎると脳が混乱してしまうということで、少しだけ良くなるように調節してもらい、術後は右目が0・1、左目が0・2になりました。

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