最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと

ペットがいるから「もっと生きたい」と療養生活を頑張れる

在宅医療ならペットと一緒に生活できる

 亀を飼っていた85歳の患者さんも、印象に残っています。奥さんと2人暮らしで、亀を室内に放し飼いにし、子供のように可愛がっていました。私が自宅に伺った時は、勧められた座布団の下に亀が潜り込んでいて、踏みつけそうになったこともありました。

 そんな患者さんが、ある時こう言ったのです。

「病院だと無理だけど、自宅だと亀と一緒に過ごせるのがよい。餌や水を与えるのが日課になっていて、こうして世話をすることで自分の生活が保たれているようです」

 これまでの連載で、在宅医療では自分らしく過ごすことができると伝えてきましたが、それだけでなく、ペットとの生活も続けることができるのです。

3 / 3 ページ

下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

関連記事