ちなみに、ヨーロッパの女性は夜の正装として背中が大きく見えるイブニングドレス(オープンバックドレス)を身にまといます。実はこれ、梅毒の流行が生んだファッションだったともいわれています。「私は梅毒ではないわ。バラ疹もないわ。きれいな皮膚でしょ」というわけです。
梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌が原因の性感染症で、感染すると全身に様々な症状を引き起こします。症状は4つに分かれていて、感染後、3週間~3カ月が第一期梅毒で性器や肛門などの感染部位に「初期硬結(しょきこうけつ)」と呼ばれる硬いしこりができます。その後このしこりの中央から崩れはじめ「硬性下疳(こうせいげかん)」と呼ばれる潰瘍が生じさらに(足の付け根)鼠経リンパ節の無痛性腫脹があらわれますが、発熱もなく4~6週間すると病変は消失してします。
感染から3カ月以上経過するとこんどは発熱や倦怠感、頭痛などの症状があらわれます。これが第二期梅毒です。その代表的な症状が梅毒性バラ疹です。顔や手のひら、足の裏を含め全身の皮膚に淡く赤い発疹が多数できます。この梅毒性バラ疹があるかないかで、梅毒に感染しているか否かがわかるのです。
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