「姉ちゃん、それ熱中症だよ。ペットボトルを持って出かけなきゃ。何も食べず、何も飲まずに出かけたらダメよ。も~なんにも分かってないんだから……。口が乾いたり、頭が痛かったり、ふらふらしたのもみんな熱中症よ。駅で何か食べればいいのに。もし何も食べたくなくても、自販機があるでしょう? 飲み物買って飲んでよ。も~姉ちゃんたら……ひどくなったら救急車だよ。熱中症で命を落とす人もいるのよ。まして姉ちゃんはね、抗がん剤やった日は多めに水を飲む必要があるんだから。おしっこで抗がん剤を体から早く出した方が副作用は少なくて済むのよ。抗がん剤によっては腎臓に良くないものもあって、腎臓が悪くなったら抗がん剤もできなくなるよ。今日はいっぱい水を飲んで! 何か食べるものはある?」
自分を心配してくれる妹に、Cさんは感謝の気持ちでいっぱいでした。
「ありがとう。あなたがいてくれたからよかった。うん、困った時は電話するから」
「うん、絶対電話してね。次の抗がん剤はいつ?」
「3週間後だと思う」
「分かった。3週間後ね」
抗がん剤治療を受けている人はもちろん、そうでなくても、水分をたくさんとって熱中症には十分に気をつけてください。
がんと向き合い生きていく