■不妊治療は「治す」のではなく「補う」治療
そもそも、検査で原因がはっきりとしないものを「治す」ことはできません。また、原因が見つかったとしても、卵巣機能が低下している、うまく排卵しない、精子が少ない、といった原因の場合、根本から「治す」ということは実は非常に難しいことなのです。では、不妊治療では何をするのか?
38歳のB子さんは、1年間自分で妊活に励んできましたが妊娠できず、病院を受診しました。B子さん自身には検査では特に異常がなく、ご主人の精液検査で「精子の運動率が低い」と言われました。そこで人工授精を行い、1回目で妊娠されました。
この例では、原因である精子自体を治療しているわけではなく、人工授精によって運動率が低い精子を直接子宮内に注入することにより妊娠することができました。つまり、不妊治療の大部分は「治す」ことではなく、低下している機能を「補う」ことにより、うまく妊娠できるようつなげる治療なのです。
女性の不妊治療で何が行われているのか