名医が答える病気と体の悩み

貧血を改善するには「鉄分」をたくさん摂取すればよい?

腫瘍血液内科医の明星智洋氏(提供写真)

 2つ目は「出血」による貧血です。胃や大腸などの消化管にがんや潰瘍があると、そこから出血し、貧血になります。この時、ただの鉄欠乏性貧血だと思って鉄剤を投与すると一時的に症状は改善しますが、胃がん、大腸がんなどを見逃す可能性がありますので、きちんと原因を調べることが重要です。

 3つ目は「そもそも体内で赤血球が作られていない」ケース。骨髄という血液の工場の機能に異常があり、白血病、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血といった血液疾患を患っている恐れもあります。その場合、専門的な治療を受けます。

 自宅で貧血かどうかを調べる方法があります。鏡の前で「あっかんべぇ」をしてみてください。下まぶたの裏側の赤い部分である「眼瞼結膜」を確認し、白くなっていたら貧血の可能性があります。体調がいいときに現在の状態を写真などに残しておき、比較してみましょう。貧血かもと思ったら、一度、血液検査をして、専門医に診察してもらうことをお勧めします。

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