これは、筋肉合成のスイッチを入れるのが必須アミノ酸であることを示している。スイッチが入らないと、アミノ酸が体内にあっても筋肉がつくられない。この必須アミノ酸の中でも特に重要なのが、ロイシンだ。
「細胞内のセストリン2というタンパク質がロイシンの濃度を感知すると、筋肉のシグナル経路mTORC1(エムトール)が活性化し、筋肉の合成が高まります」
このロイシン、高齢者ほど意識して摂取したい。なぜなら、加齢でロイシンへの抵抗性が増すからだ。高齢者を2群に分け、必須アミノ酸だけを取った群と、必須アミノ酸の中でもロイシンの量を全体の40%まで引き上げて摂取した群とを比較した研究では、ロイシンが多い群の方が筋肉の合成速度が上がった。
ロイシンは、牛乳やチーズなど乳製品に多く含まれている。
●高齢者は体重1キロ当たり1.2グラムのタンパク質摂取を目指す