しばらくして、電子カルテでKさんの胸部X線写真を見ると、全体にはきれいな肺ではありません。胸部CT画像では、右肺上葉に径約1センチの丸い陰影が認められました。さらに採血結果では、肝機能はまずまず正常の上限、血糖値は120㎎/デシリットル、HbA1Cは6.2%と高値でしたが、糖尿病の緊急の治療は必要ないと判断しました。
それからKさんを診察室に呼び入れ、CT検査結果の画像を示しながら説明しました。たばこは10年前まで20年間吸っていたようでした。お酒は毎日、缶チューハイを1缶。他に既往はありません。
■発見が遅れれば治療が大変になる
さらに、事務業務を補助してくれている外来クラークさんに、「外来で診療している呼吸器内科のM医師に相談したいのだけれど、そちらまで行ってもいいか」と尋ねてもらいました。M医師には呼吸器疾患のことでは、いつも相談させてもらっています。するとM医師から「患者さんと患者さんの合間に時間をとる」との返事をいただき、私はKさんのカルテファイルを持って、M医師の診察室を訪ねました。
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