コロナワクチンや抗がん剤で、なぜ同じような供給停止が続くのでしょうか。米国内では、不具合が見つかった工場のほかにも、この薬を製造する工場があります。米国やカナダ、英国はそれらの工場の供給を認めているのですが、日本と豪州は不具合のあった工場からの供給に依存しているため、供給が滞る事態になったのです。
二度あることは三度あるで、同じような体制では、再び供給停止に追い込まれる薬が出るかもしれません。相次ぐ事態を教訓に、対策を整備しておくことがとても重要でしょう。今回のように海外に複数の工場があるケースは同じ製造元から同じ薬剤を緊急輸入し、国内で迅速承認して供給できる体制づくりが必要だと思います。販売元の大鵬薬品工業は、その線で交渉しているようです。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵