コロナ禍は一段落したが…「隠れ疲労」を見逃してはいけない

ひとまず解放されたが…(C)日刊ゲンダイ

 疲労を長期にわたって放置していると、自律神経がパンクして免疫系、内分泌系、循環系の機能に負担がかかり、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病にかかりやすくなる。最悪の場合、心筋梗塞などを起こして突然死につながる恐れもある。つまり、「疲労」というのは、無理をさせないように脳が発する危険信号なのだ。

 しかし、いくら疲れがたまっていても、疲労を感じないケースがある。「自律神経が疲弊し『疲労感』として自覚させるのは、大脳の前頭葉にある眼窩前頭野という部分です。前頭葉は『意欲や達成感の中枢』と呼ばれていて、意欲や達成感を感じると、実際には疲れていても疲労感が隠されてしまうのです。この状態を『隠れ疲労』と呼んでいます」

 コロナ禍が一段落ついた今は、この「隠れ疲労」が蓄積しやすい状況といえる。リモートワークや自粛が当たり前になっていたが、緊急事態宣言が解除されたことで、コロナ前の生活を取り戻しつつある人も多いだろう。通勤や職場での業務が再開され、久しぶりに知人と会食したり、職場のメンバーで飲みに行く機会が増えた。第6波が来るかもしれないから、警戒はしつつも今のうちに自由を楽しんでおこうという人も少なくない。

2 / 4 ページ

関連記事