がんと向き合い生きていく

免疫低下でリスク上昇…「帯状疱疹」新ワクチンの副反応は?

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 リウマチで某病院に通院している妻の友人が、新しい帯状疱疹ワクチンの予防接種を勧められ、打った方がいいかどうか悩んでいると聞きました。1回2万2000円と結構高額ですし、2~6カ月以内にもう1回接種する必要があるそうです。

 とても元気そうに見える方ですが、リウマチの治療で免疫抑制剤を使っていたとすれば、免疫能が落ちている可能性があり、私は「できれば接種した方がいい」と思いました。

 帯状疱疹の原因は子供の時にかかった水ぼうそうのウイルスです。それが神経節に潜んでいて、疲れ、加齢、ストレスなどで免疫力が低下すると活性化し、帯状に痛みや発疹を起こすのです。ですから、免疫能が低下したがんの患者さんでは発症リスクは高まると考えられます。

 私は帯状疱疹を疑うと、すぐに患者さんを皮膚科に紹介します。もし治療が遅れると、疱疹は治っても神経に沿った痛みが長く残る方がおられるからです。

1 / 4 ページ

佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

関連記事