時間栄養学と旬の食材

ワカサギはビタミンAを含む数少ない魚 夜に天ぷらで食べたい

ワカサギの天ぷら

 また、ワカサギのように小さくて丸ごと“全体食”ができる魚はミネラルがたくさん取れます。中でもカルシウム量は10グラム当たり45ミリグラム。吸収率が若干違うので完全な比較はできませんが、牛乳のカルシウム量は10グラム当たり11ミリグラムですから、その多さがわかると思います。カルシウムは骨や歯を健康に保つだけでなく、筋肉の収縮などにも働くミネラルなのでぜひ取りたいですね。ちなみに、カルシウムの体内への吸収率が上がるのは夜。そういった意味でも夜食べることでの効果は高そうです。

 また、ビタミンB12は10グラム当たり0.79マイクログラム含まれていて、1食当たりの目安0.8マイクログラムに匹敵する量に該当します。ビタミンB12は、重度の欠乏によって神経の損傷が起きることがあり、筋力低下、歩行困難、錯乱、認知症が起こるとされています。肩こり予防にも効果があるという報告もあります。そして、ワカサギはビタミンAを含む数少ない魚のひとつです。10グラム当たり9.9マイクログラムと、1食当たりの目安量(221マイクログラム)にはかなり遠い値ですが、ビタミンAは活性酸素を抑え動脈硬化や心筋梗塞の予防、目の健康や免疫力の向上に役立ちます。卵、ホウレンソウなどの食品に多く、油調理によって吸収を高めるので、卵を使った衣でワカサギを揚げる天ぷらやフリットなどがおすすめです。

2 / 2 ページ

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

関連記事