コレステロール降下薬「スタチン」が新型コロナの死亡者減らす 海外で研究報告

写真はイメージ

 かつて心不全に対するスタチンの保護作用の研究に携わっていた東丸氏によると、スタチンを使った患者の血管内を血管内視鏡で見ると、血管内にできたプラークの色が、黄色から白っぽく変わるという。

「血液中のLDLコレステロールが多いと、血管の内膜にプラークができて内膜が肥大化していき、破れると血栓の生成につながります。黄色っぽいプラークは破れるリスクが高く、状態が安定化しているプラークは白っぽい色をしています。スタチンには、それくらい血管内の状態を改善する効果があるといえます」

 血管の病気ともいえる新型コロナウイルス感染症に対しても、やはり何らかの効果が期待できるといえそうだ。

「ただし、本格的な研究はまだ数が少ないため、今の段階では新型コロナの治療にスタチンが確かに有効だとはいえません。スタチンはあくまでも、脂質異常症などコレステロールを低下させる必要がある病気に対して適応される薬ですから、さらなる大規模研究が必要です。また、スタチンには頻度は少ないとはいえ横紋筋融解症や腎障害などの重篤な副作用が出るケースがあるので、定期的に検査をしてモニターしながら服用しなければなりません。自己判断で使用するのはリスクがあります」

 今後の研究に期待したい。

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