幸先の良いスタートを切るための正月食事術

おもちの窒息事故は高齢者だけが注意すればいいのか?

おもちは雑煮などにして喉に詰まるリスクを回避(C)PEXTA

■食べる前に口腔内を湿らせておく

 では、高齢者だけが気をつけていればよいのでしょうか。噛む力で考えていくと、まだ噛む筋力が発達していない幼児や、歯周病や歯槽膿漏などの歯茎が弱い人も注意しなくてはなりません。また、高齢者にも言えることですが、唾液の分泌量が少ない人も、口腔内が潤わずおもちが口や喉にくっ付きやすくなってしまうので窒息事故に注意する必要があります。

 おもちを食べる際は雑煮などの汁物にしたり、大根おろし、納豆、あんこなどでコーティングして食べることによって、リスクを減らすことができるでしょう。

 さらに、東京消防庁のデータを見ていくと、おもちだけではなくさまざまなものが窒息要因になっています。たとえば、イカやタコなど加熱しても柔らかくなりにくいものや、ナッツやアメなどの硬いもの、パンやお菓子などのパサパサしたものなども飲み込んでしまうと窒息の恐れがあります。のりやレタスなどの厚みのないものも、のどに張り付きやすいので注意が必要です。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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