進化する糖尿病治療法

SGLT2阻害薬 日本で初めての慢性腎臓病治療薬として承認

倦怠感、息切れなどの症状にも注意(写真はイメージ)

 CKDは慢性の腎臓病すべてを指します。尿や血液、腹部超音波やCTなどの検査で腎臓に異常が見られ、腎臓の働きが60%以下に低下、あるいはタンパク尿が出るといった状態が3カ月以上続いている場合にCKDと診断されます。

 糖尿病や高血圧などでCKDは発症、悪化しやすくなり、高血圧があると腎機能を低下させCKDを発症・悪化させるという悪循環をたどります。CKDは早期に発見され治療が開始されれば元の状態に回復することもありますが、早期では自覚症状がほとんどありません。

 つまり、定期的な健康診断を受け、尿や血圧を調べていないと、早期発見はなかなか難しいのです。

 夜間尿、むくみ、貧血、倦怠感、息切れなどの症状が出てきたときにはCKDがかなり進行している場合が多いといわれています。

 放置すると徐々に進行し、脳卒中や心筋梗塞など心血管病の発症リスクが高まります。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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