そして私たちが帰った後も患者さんがつらさを感じず過ごせるか、一生懸命に考え、奥さまに伝えるように努めました。そうすることで奥さまも安心されて、ご本人とともに夜間はぐっすりお休みできました。やがて嫌な症状もなく、徐々に衰弱し、眠ったように永眠されたのでした。
私たちは常にどうすれば自宅という場で患者さんが療養しながら、そこのご家族もみんな安心を得られるかを考えます。
まさにそのことが在宅医療に求められる「患者さんの生活を丸ごと見るテーラーメードな医療」のあるべき姿だと考えています。
患者さんが安心しなければ、私たちも安心できません。だからこそ、患者さんやご家族の生活が不規則になりがちな深夜の往診を避け、夜間は安心してお休みしてもらう。昼間の重点ケアの実施は、在宅医療において必要不可欠だと考えています。
最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと