独白 愉快な“病人”たち

市川真由美さんが語るがんとの闘い「こんな体になっても生きなきゃダメ?」と毎日泣いていた

市川真由美さん(提供写真)

 9年後にそれが再発するんですけれど、その間にうつ病を発症して、脱毛で頭の左半分がつるつるになりました。人の顔が全部目玉に見えて、手が震え、口も震えて、頭の中にずっと“もや”がかかっているようでつらくてつらくて……。

 でも2年間薬を飲み続けた後、急にパ~ッと“もや”が晴れたのです。なぜだかわかりません。断薬しながらしばらく通院して社会復帰となりました。先生いわく「幼少期のつらい経験が出てきたのかもしれないね」とのこと。じつは私、実の母親に虐待されていたのです。その上、私が5歳のときにその母が家で首を吊るのを目の当たりにしました。

 父の実家に引き取られて大事に育てられた後、3回目の母が来てからはその母に支えられています。だから今、自分の家族をすごく大事にしているんです。

 余命宣告を受けたのは、うつ病が治って上の子が大学に入学した42歳のときでした。3人目の子を流産してしまい、その後すぐに子宮頚がんの再発がわかって手術をすると、「だいぶ進行している」とのことで転院を勧められ、そこで「今年いっぱい持つかな」と告げられました。

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