独白 愉快な“病人”たち

市川真由美さんが語るがんとの闘い「こんな体になっても生きなきゃダメ?」と毎日泣いていた

市川真由美さん(提供写真)

 3年前の乳がんは、胸がかゆくてかいていたら、しこりを感じたのが発見の経緯です。初期でしたが、左乳腺を摘出して10年間のホルモン療法の最中です。リンパも切っているので、いずれ左腕も浮腫になりそう。

 乳がんもそうですけど、子宮頚がんからの腸閉塞やリンパ浮腫で、私と同じような人はいっぱいいると思うんです。みんなに元気になってほしい。私が今、こんなに元気なのだから。

 無戸籍の人を支援しているのは、私が知らん顔できないだけですよ。いろんなことを同時進行していると、痛みやつらさを感じている暇がないから、じつは人助けをしながら自分も救われているんです。 (聞き手=松永詠美子)

▽市川真由美(いちかわ・まゆみ) 1967年、奈良県在住。母親の自殺や虐待などつらい幼少期を経て結婚し、長男長女に恵まれる。2010年に景品玩具を販売する「いち屋」を立ち上げ、3年後に法人化した。従業員のマイナンバーがなかったことをきっかけにNPO法人「無戸籍の人を支援する会」を設立。全国から舞い込む相談に親身になって対応し、住民票や戸籍の取得に尽力。奈良佐保短期大学学食「鹿野園」の運営・調理も行っている。

5 / 6 ページ

関連記事