コロナ禍でも注目 最新医療テクノロジー

全国20カ所以上で活躍「心房細動診断AI」は何が凄いのか

受診時に症状が出るとは限らず見つけられないことも多い(写真はイメージ)/(C)PIXTA

 開発したのは国際医療福祉大学教授の現役医師が2019年に起業した「㈱カルディオインテリジェンス」(東京都港区)。同社の田村雄一CEOが言う。

「このAI解析システムは、健常者や心房細動患者さん約2000人分の心電図データ(1人当たり10万心拍以上のデータ)を使い、心電図波形から心房細動を自動診断できるアルゴリズムを利用しています。このシステムに心電図データを読み込ませると、心房細動の発作が起きていた箇所を示します。診断精度は98%なので、専門医でなくても治療につなげることができるのです」

 このAIは、大量のデータから自動的に特徴などを抽出・分析する「ディープラーニング(深層学習)」という技術を応用している。しかし、ディープラーニングには、なぜその答えが出たのか、その根拠が分からず、モデルがブラックボックス化する課題がある。

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