海外の研究では、中・高リスクについて、38回照射と5回照射の再発率を比較したところ、差がないとする報告もあるのです。最新の放射線なら、高リスクでも1週間程度の照射で済みます。
東大病院の場合、照射時間は100秒。着替えや準備の時間を含めても十数分で、到着から会計まで30分ほどですから、通院負担もそれほどつらくはありません。何しろ手術には、感染や出血、さらには尿漏れ、EDなど見逃せない合併症がありますが、そのようなこともないのは大きなメリットでしょう。
肝心の治療成績は、転移前の局所浸潤のケースでも5年生存率が大体9割を超えます。もちろん再発リスクはありますが、それは手術でも同じです。ファン・ハール監督のように仕事と治療の両立を考えると、この治療の組み合わせは有力な選択肢になると思います。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵