Dr.中川 がんサバイバーの知恵

子宮頸がんの放射線治療は手術の先か後か 広島で後遺症を巡る裁判が

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 日産婦腫瘍委員会の調査では、2014年の2B期の手術割合は44%。04年の60%より減少傾向とはいえ、放射線の39%を上回ります。こうした手術偏重の歴史的背景から、初期治療に手術が選択されて術後の放射線治療によって悲劇が生まれた可能性は否定できないと思います。

 子宮頚がんを根治できるのは、手術と(化学)放射線治療で、その成績は同等です。術後に放射線をプラスするなら、最初から(化学)放射線治療を行う方が、時間も医療費も節約できるし、後遺症のリスクも小さくできます。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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