たとえば、「よくテレビに出てくる俳優の名前が出てこなくなる」という項目があったとします。しかし私の場合、「よくテレビに出てくる俳優」であっても、名前が出てこない。最近のことではなくて、昔からそうです。
料理をまったくしない・関心がない人が、キャベツをレタスと言い間違えても、以前からそうであったなら、特段おかしなことではありません。「覚えていて当たり前」ということは、十人十色なのです。
■「変化」を見逃さない
では、「認知症かもしれない」と疑うべきは、どういうときか? 前回の本欄でも触れましたが、重要なのは「変化」です。以前は難なくできていたことができなくなってしまう。これまでの暮らしぶりや仕事ぶりに比べて、何かが違う。そしてそれが、頻回にある--。もしそうだとしたら、認知症の始まりかもしれません。
認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う