具体的に挙げましょう。「なぜかイライラする」「眠れなくなる」「外出がおっくうになる」「趣味に楽しさを感じなくなる」「ど忘れが増える」「同じことを何度も聞くようになる」など。
「ど忘れ」は、認知症でなくても起こり得ますが、約束していたことをすっぽかしてしまう、それを何度も繰り返す。「なんで忘れちゃったの?」と聞かれてもそもそも約束していたこと自体を思い出せないようなら、それは見逃せない変化だと思います。
ただし、繰り返しになりますが、どういう変化が表れるかは、個人の人生や置かれた環境によって異なります。Aさんにとっては認知症を疑うべき変化であっても、Bさんにも当てはまるとは限りません。変化を判断するには、会社や家庭で担ってきた役割を、変わらずに果たせているかどうか。これまでの生活と比較するのが一番いい方法です。
認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う