認知症を予防する補聴器のすべて

障害は社会の問題 手話が一般化すれば難聴はハンディにならない

写真はイメージ

 聴覚でも、仮に社会の全員が手話をできれば、耳の聞こえにくさを難聴者はハンディに思うことなく、全員が同じようにコミュニケーションが取れます。

 難聴では、補聴器で聴覚を補うことはもちろん大切であり、有効な手段のひとつですが、同時に、周囲の環境やその周りにいる人も難聴に対する正しい知識を身につけ、難聴者が活動しやすい環境を整えることも求められるのではないでしょうか。

 ほんの小さなことや少しの配慮から始めていけば大丈夫。難聴で言えば、ゆっくり正面から話しかける。話しかける前に合図をして、注意喚起してから話しかけるなど、ちょっとした工夫が環境を整えることになると思います。

 まさに心のバリアフリーの実践です。

 そのためにも差別を行わず、多様な人々とのコミュニケーションを行う力を磨き、障害を取り除く。

 また、取り除くための手助けをする。これらが豊かな共生社会実現に向けて、今後ますます求められるのではないでしょうか。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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