在宅診療を受けるにはいくらかかるのか…すべて保険適用の医療行為

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「私もこれまでがんの末期の方々を1000人近く自宅でお看取りをしていますが、最後まで『苦しんで亡くなる』という人はほとんどいらっしゃいません。苦しみや痛みに対して『緩和』をすることが、在宅医師としての責任であり、役割です。それは、高度な医療の知識と技術に基づくものです。麻薬で寝かしつけるような単純なものではなく、苦しみを医療で和らげることにより、延命効果にもつながるのです」

 また、介護環境に苦しんでいるならば、介護の中心であるケアマネジャーと家族とが何度も会議をしながら、一時的にレスパイト入院をするとか、ショートステイを利用するとか、介護度を上げてヘルパーの回数を増やすなど、いろいろな形で介護環境を充実させて家族負担を取り除くことが必要だ。

「私たちの患者には、重症度が高くて寝たきりで身寄りがまったくない、という方々も少なくありません。医療や看護、介護がしっかり介入することで、ひとりで最後の命を自宅で過ごしたいと希望する方に寄り添って、生活に彩りをつける役割も私たちは担っています」

4 / 5 ページ

関連記事