世界で急増中の「サル痘」はどんな病気? 日本で初めて感染者確認、WHOは緊急事態宣言

サル痘ウイルス(C)CDC提供・共同

 1970年にザイール(現コンゴ民主共和国)で初めて報告され、主にアフリカ中央部から西部にかけて発生してきた。ところが2022年5月以降、欧米、中東、アジア太平洋地域で感染が急拡大。米疾病対策センター(CDC)によれば、累計1万7000件(7月22日時点)の感染が確認されている。

「もともとの流行地でのアフリカでは過去にもサル痘の流行は起こってきましたが、今回の流行のような患者数、地理的な広がりは予想していませんでした」

 こう話すのは、国立感染症研究所(感染研)で長年ウイルス研究に従事し、現在は札幌市保健福祉局保健所医療政策担当部長を務める西條政幸氏(感染研名誉所員)。

 サル痘の人から人への主な感染ルートは、患者の体液や患部との接触。WHOは「サル痘は誰でも感染の可能性があるが、今回の感染拡大のひとつの特徴として、同性との性行為を行う男性(MSM)、とりわけ複数のパートナーと性的関係にある男性に感染が集中している」と述べている。

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