独白 愉快な“病人”たち

現役麻酔科医みおしんさん 線維筋痛症の「痛み」との闘い

みおしんさん(C)日刊ゲンダイ

 15歳の頃に右肩痛を自覚し、再度精密検査をしましたが、原因がわからず、中学、高校、大学では無理やり体を動かしていました。医学部を卒業して1年間の研修医期間が終わろうとしていた2010年、疲労で消耗しきっていたところにカンピロバクターという細菌に感染し、その後、半年間寝たきりになりました。

 細菌による胃腸炎は治っても、寝ているだけでしんどい状態が続き、研修は中断。あれこれ検査しても異常がないことから、そういう特徴を持つ病気「慢性疲労症候群」と診断されました。

 思考力の激しい低下と極度の疲労感が半年以上続き、日常生活に支障を来しました。診断から1年半、病院を転々としながらいくつもの痛み止めや、鎮痛補助剤としての精神科の薬や注射を試しました。でも、どれも効果がなく、「これは薬ではどうにもならないんじゃないか?」と思い、ある時から薬を一切やめました。

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