■心臓が悪い人は“手を打てる時間”が短い
こうした自分の体の状態を正常な方へ戻す対策は、「体温が上がってきているな」とわかった段階で行うのが重要です。熱中症になってしまうと、理解しているはずの行動ができなくなってしまうからです。
私も以前、身をもって経験しました。夏の暑い日差しの下、ゴルフのラウンド中に熱中症になりかけたのです。自分ではよく覚えていないのですが、バンカーに打ち込んでしまったボールを出そうとスイングした際、何度も空振りをしたり、妙な打ち方を繰り返していました。するとキャディーさんが近寄ってきて「具合が悪くありませんか?」とたずねられました。その一言で「あれ? 何やってるんだろう」と我に返り、ひとまずバンカーからの脱出に成功しました。ただ、そのホールが終わると、近くにある休憩所で15分ほど休みながら体を冷やすように言われ、水分も補給。これで、その後はいつものようにプレーすることができるようになりました。熱中症になりかけていたのです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」