C型肝炎は「治る時代」なのに「治らない患者」がいる理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実際、精密検査をしてC型肝炎と診断されたが通院していない理由を調べた報告では、1位が「症状がない」。2位、3位には「医師に通院しなくていいと言われた」「医師に『経過観察』と言われた」とあり、これは肝機能検査で異常が見つからなかったためと考えられるが──。

「肝機能検査でALT(GPT)が正常だと肝臓は悪くないと思われがちですが、ALTは肝臓の細胞が壊れているかどうかを見ているだけで、どれだけ病気が進んでいるかを見ているのではない。ALTが正常でも肝硬変のケースはある」

 前述の通り、効果が高く、安全な薬が登場している。C型肝炎ウイルスに感染しているなら、速やかに適切な治療を開始すべきだ。

「症状がないから大丈夫」というのは、C型肝炎において大きな間違いであることはこれまで述べた通り。もうひとつ、よくある間違いが「治療でC型肝炎ウイルスを排除したから、肝臓がんにならない」。

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