糖尿病患者が口にする「全然食べてない」には2つの意味 絶対量を食べていないのではない

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 在宅医療で大事なのは、「しっかり食べれば元気になる」が幻想であり、患者の言葉に惑わされてはいけないことだという。たとえば糖尿病の患者は、「全然食べてないんだけどなあ」という言葉を口にする。それは絶対量を食べていないのではなく、2つの意味があるという。

「『以前ほど食べていない』と『糖尿病になりそうなものは食べていない』という意味です。この違いを理解していないと、不必要に薬を減らしたり食事の量を増やしたりして症状を悪化させる場合があるのです」

 たとえば「全然食べていない」が「以前ほど食べていない」という意味の患者の場合、じつは年齢の割にはたくさん食べていることが多いという。

「それもタンパク質が多く含まれる、肉や魚、大豆などの『おかず』を定期的に取っている人は少ない。簡単に手に入るパンやごはん、果物が食事の中心となっている独居や老老介護の高齢者が多い。金銭的にも労力的にも『おかず』を手に入れられないからです」

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