認知症を予防する補聴器のすべて

目の前の難聴者は今「聞く」状態か、それとも「聴く」状態か

写真はイメージ

 耳の不自由さについて、若い人にとっては関係のないことのように思えるかもしれません。ですがこれからの超高齢社会、耳が聞こえづらい人との接触や関わりは増えていくでしょう。

 それを考えれば、現在は、聞こえになんの問題がない人にとっても、他人事では済まされなくなるのではないでしょうか?

 そのためにも、聞こえの不自由な人の立場に立った接し方を考えることは重要だと考えます。

 たとえば耳が遠い相手に対し、耳元で大きな声を出せば良いと単純に考えていませんか? 実は難聴には小さな音が聞こえない一方で、大きすぎる音には逆に敏感になり過ぎて不快になる、聴覚の補充現象という特徴があります。

 また、音としては聞き取れるのに、言葉の聞き分けが難しく、時に会話の内容が理解できない状態になるという言葉の明瞭度の低下も起こります。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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