上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

心臓を守るために普段から使いたい2つの電化製品

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 いわゆる一般的な乾式のドライサウナは室内温度が70~100度程度なのに対し、家庭用のミストサウナは約40度ですから、室温を60度にする和温療法に近いといっていいでしょう。“疑似和温療法”のような効果が期待できそうです。

 また、低温で高湿度のミストサウナは、ドライサウナのような息苦しさがありません。調査では血圧や脈拍に与える影響が少ないこともわかっています。つまり、体の負担が少ないままゆっくり入浴できるのです。そのため、リラクセーション効果によるストレスの軽減も期待できます。私も気分転換のために自宅の浴室で使っています。

 ストレスは心臓にとって大敵です。われわれはストレスを受けると交感神経が優位になります。先ほどもお話ししましたが、ストレスをうまく解消できずに交感神経が優位になっている時間が長くなると、心臓に負担がかかって、心臓疾患につながるリスクがアップします。そんな危ないストレスの解消にミストサウナが効果的なのです。

4 / 5 ページ

天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

関連記事