風邪の自宅ケアでは要注意…子供に大人用の薬を飲ませてはいけない

大人用のものは子供には使ってはいけない成分が含まれているものも…(写真はイメージ)

「子供が風邪をひいたとき、まずは市販の総合感冒薬を服用させる人も多いでしょう。しかし、総合感冒薬には発熱、喉の痛み、鼻水、咳といった風邪のさまざまな症状に効く成分が多数混ざっています。ですから、たとえば発熱だけで咳や鼻水の症状が出ていない場合でも、必要のない余計な成分を一緒に摂取してしまうことになります。また、大人用の総合感冒薬の中には、子供には使ってはいけない成分が含まれているものもあるので、子供用がないからといって、大人用の薬の量を減らすなどして服用させるのも厳禁です」

 風邪によるひとつの症状に対してひとつの薬を用いるとしても、子供の場合は注意が必要だ。まずは熱を下げるために使う「解熱鎮痛薬」が該当する。

「解熱鎮痛薬には『NSAIDs』(エヌセイズ)と呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬(アスピリンやジクロフェナクなど)と、『アセトアミノフェン』(カロナールなど)の2種類があります。両者の大きな違いは炎症を抑える作用があるかないかで、NSAIDsは抗炎症作用があり、アセトアミノフェンにはほとんどありません。小児におけるウイルス疾患の解熱には、アセトアミノフェンが安心して使える薬です。水ぼうそうやインフルエンザの時に小児に対してアスピリンを使用した場合、急性脳症や肝臓の脂肪浸潤を引き起こすライ症候群の発症を高めることがわかっています。また、ジクロフェナクナトリウムなどの一部のNSAIDsは、インフルエンザ脳症発症時の死亡率を高めることが知られています」

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