Dr.中川 がんサバイバーの知恵

秋野暢子さんは疑問を投稿 がんのステージは進行度、では余命との関わりは?

秋野暢子さん(C)日刊ゲンダイ

 告知をどこまでするかは微妙な問題ですが、認知症の方は別として、がんと診断されればステージは伝えなければならないでしょう。ただし、余命については、参考程度でいいと思います。

 余命の基になる研究結果には、かなりバラつきがあるため、中央値を採用します。たとえば、食道がんで抗がん剤と放射線で治療した37人では、1カ月~3年で、その中央値は9カ月ほど。ほとんどアテにはなりません。

 余命との関わりにおいても、やっぱり早期発見に尽きます。そのためには毎年の健診が大切。あるとき、仕事の都合で受けられなかったら「また来年」ではなく、すぐに予約を取り直すこと。進行の速いがんでは2年のブランクが命取りになることがあるのです。

3 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事