そんな母親を心配して三女である娘さんから在宅医療を導入する申し出があったのでした。
「はじめまして」
こう私たちが訪問すると、患者さんは「娘が勝手にしたんでしょ。お帰りください。私は何も聞いていませんよ」とぴしゃり。
さらには、「あなた方が家に入ってくることを、許可していませんけど」「(在宅医療を受けるのは)無理! 永久に!」と立て続けにおっしゃいました。「娘が勝手にしたんでしょ」の一点張りで、「私のこと悪者にして。110番しますよ」と。私が「めっそうもないです。悪者になんてしていませんよ。勝手かどうかはわからないですが、娘さんもあなたのことを思ってしてくれているんですよ」と話しても、聞く耳を持ってくれません。ひとまず初日はそのまま退散し、以降、拒否されても、繰り返し訪問し、現在に至っています。
老親・家族 在宅での看取り方