乳がん経験者だからわかること(下)予想外の出費で悲鳴 ウィッグは50万~60万円

ウィッグなど治療費以外の出費が多い(C)PIXTA

「今は余分な情報を切り捨てる時代。早期発見しても、適切な治療にたどり着かなければ生存率は落ちていきます。最初の入り口はすごく大切で、エビデンスのある情報を選ぶ。どこで探せばいいのか? まずは国立がん研究センターなどのホームページを見て、そこからつながっているものをたどっていく」(黒田さん)

■病院選びは症例数の多いところを

 黒田さんは最初にがんの診察を受けた地方病院でステージ2Bと診断され「すぐに抗がん剤治療を」と言われた。その後、がん研有明病院でセカンドオピニオンを受け、当初のステージより軽いステージ2Aとなり、抗がん剤治療は不要となった。

「がんの診断にはグレーの部分があり、医師として、どちらか迷うなら、念のため強い治療(黒田さんの場合では抗がん剤)をやっておこう、ということがあります。だから最初は『ステージ2B。すぐに抗がん剤』となったのでしょう。ところが症例の多いがん研有明病院ではグレーの症例数も多く、より適切な判断ができたのだと考えています」

 乳がんに限らないが、可能であるなら、自分が診断された病気を多く診ている病院でセカンドオピニオンや治療を受けた方がいい。

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