老親・家族 在宅での看取り方

「こうしてほしい」「あれが不満」はケアマネや訪問看護師に相談を

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実際、あるクリニックで在宅医療を始めたけど、途中で別の在宅医療へ切り替えたといったことも珍しいことではありません。

 私たちが関わった、息子さんと同居する90歳の女性もそうでした。腹部大動脈瘤の術後間もない方で、軽度の認知症、高血圧症、高コレステロール血症も患っていました。

 別のクリニックで自宅療養を行っていたのですが、ある日、容体が優れなくなり医師の要請を行ったところ、別の緊急を要する患者さんの対応で断られた経験から、これからの療養に不安を覚えるようになり、相談したケアマネジャーさんから私たちが紹介されたのでした。患者さん側が諦めず相談した結果、それを受けて横の連携がうまくつながった例といえるでしょう。

「食欲がなくて」(患者)

「下痢はありますか?」(私)

「それはないです。鼻水が少し」(患者)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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