業界初の国家資格「眼鏡作製技能士」は眼鏡作りをどう変える? 6千人余りの有資格者誕生

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■いま、なぜ、眼鏡作製技能士なのか?

 実際、1級の学科試験の受験資格は、眼鏡作製に関する業務に5年以上の実務経験があるか、2級の技能試験に合格したあと2年以上の実務経験がある人、もしくは3年制以上の全日制眼鏡専門学校を卒業または卒業見込みの人などとされている。2級の学科試験の受験資格は眼鏡作製に関する業務に2年以上の実務経験があるか、2年制以上の通信制眼鏡専門学校を修了した人となっている。ただし、漫然と実務経験を積んだだけでは眼鏡作製技能士の試験には合格できない。今回の1級の学科試験の合格率は約14%、2級は約63%だったという。それにしてもいま、なぜ、眼鏡作製技能士なのか?

「眼鏡は医療補助具であり、日本では2人に1人が眼鏡をかけていながら、ごく少数とはいえ、眼鏡が原因で体調を壊すなどトラブルが報告されているからです。消費者庁が独自に精査した『事故情報データバンク』(2012年~22年8月)によると、登録された眼鏡店で作製した眼鏡により体調を壊したと訴えがあった件数は238件。そのうち10歳以下は12件でした。このうち『レンズの度数が合っていない』は126件、『フレームの調整不足』は51件。不調の主な症状は『頭痛』が82件と最も多く、『吐き気・めまい・気分不良など』が78件、『疲れ目、目の痛みなどの目の不調』が70件、ほかに『視力低下』が9件もあったのです」

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