さて、前立腺がんは、遺伝の影響があることが分かってきました。米国の研究によると、父親や兄弟など前立腺がんの人が1人でもいる男性は、1人もいない人に比べて前立腺がんになるリスクが2倍、2人いると同5倍になるという報告があります。
このような家系では若くして発症することもあるため、40代から血液検査で前立腺がんの可能性を調べるPSA検査を受けておくことをお勧めします。
米女優のアンジェリーナ・ジョリーは、乳がん予防で両方の乳房を、卵巣がんの予防で卵管と卵巣を切除しました。乳がんや卵巣がんとの関係が指摘されているのがBRCAという遺伝子の変異で、実は前立腺がんとも関係がありそうで、転移がある前立腺がんの6%には、この遺伝子変異があるとされ、予防的前立腺摘出も行われているのです。
家系にこれらのがん患者がいる場合は、男性も遺伝子検査が必要かもしれません。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵