アスリートの快眠術

ダービージョッキー藤田伸二さんはなぜ、睡眠導入剤に頼らなくてはいけなくなったのか

藤田伸二氏(50歳・元JRA騎手)/(C)日刊ゲンダイ

 昔は騎乗前にアルコール検査がなかったから、食堂で大酒飲んだし、朝の4時まで飲みながら麻雀をやったこともある。騎乗がメインレースだけのときは、夜通しでゲームをやったり、DVDを見ていたこともあった。1レースから騎乗するといっても子供じゃあるまいし、夜の8時や9時ごろ布団に入るわけにはいかない。酒を飲んでからマッサージを受けたり、枕の下に電動マッサージ器を置いて照明を消すと、短時間で眠りに落ちた。

 こんな俺でも結構ナーバスな面もある。ゲートを出たら斜行せずにまっすぐ走らせることができるか、1歩目に隣の馬の邪魔をしないか……。そんなことばかりいつも考えていた。

 人に迷惑をかける騎乗は大嫌いだから、25年も騎手をやって斜行などによる騎乗停止はたったの4回。フェアプレー賞(年間30勝以上と制裁点数10点以下)は歴代最多の19回。同30勝以上、制裁点数0のベストフェアプレー賞は2回。GⅠ17勝も勲章だが、最多のフェアプレー賞も誇りだ。武豊さんだって11回しか取っていないんだから。

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