■やっと夜明けがはっきり見えてきた
一方、安全性については、投与した患者の12%に副作用とみられる脳の浮腫がみられました。さらに脳の出血も17.3%にみられました。しかし、いずれも大部分は軽症で、発見4カ月後には消失。
また、臨床試験期間の18カ月を過ぎて新薬の投与を続けていた1608人中2人が脳出血を起こして死亡。また、プラセボ群897人中1人も、脳出血で死亡しています。新薬投与で死亡した2人は合併症があり、抗凝固薬(血液サラサラ薬)を併用していたこともあって、治験安全評価委員会はレカネマブが原因ではないとしています。
研究チームはアメリカで開かれている国際的なアルツハイマー会議でも今回の臨床試験の結果を報告。データの詳しい分析によって、レカネマブ群ではプラセボ群に対し認知機能の低下を7カ月半遅らせられ、別のシミュレーションでは、アルツハイマー病が軽度な状態で持続する期間が2年半から3年1カ月延びる可能性があるとのことです。
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