コロナ第8波を乗り切るために…年末年始は「空気感染対策」をあらためて見直したい

ワクチン接種を受ける尾身茂会長(代表撮影)

 新型コロナが空気感染することは、2020年2月に中国で報告され、7月ごろには「サイエンス」や「ランセット」などの世界トップレベルの医科学誌に相次いで論文が発表された。米CDC(疾病対策センター)やWHO(世界保健機関)は21年春に空気感染を認め、同年末には日本の厚労省も公的に認めるようになった。だが、いまだに広く十分に認識されているとはいえない状況だ。

「不織布マスクの着用はある程度の飛沫を防げますが、感染対策として十分とはいえません。これまで報告された国内外の感染事例を見ると、ごく近くにいて大声で話した場合、マスクの有無にかかわらず、1分以内に感染する可能性があります。東大医科学研究所の研究では、不織布マスクをしている場合、50センチ離れている条件では、飛沫や飛沫核によって侵入するウイルス量は47%程度しか減らせませんでした。換気が悪い室内では、たとえ人と人の距離を1メートル以上あけても、飛沫核が室内を循環するため感染リスクが高くなるのです」

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