「痩せ」が命を縮めるのはどうしてなのか…肥満よりも死亡リスク増

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「筋肉は体重の40~50%を占めていて、心臓が全身に送り出す血液の“受け皿”になっています。体の隅々を巡った血液を心臓に戻す際には、ふくらはぎなどの筋肉(骨格筋)がポンプの役割を担っている。そのため、筋肉量が減ると心臓に戻る血流が減り、血圧の調節が不良になります。すると、心臓は血流を確保しようとフル回転を強いられ、負担が増大するのです。痩せている人が高血圧症などの危険因子を1つ以上持っている場合、心血管疾患の発症率は危険因子がない太り気味の人の約2倍になるといわれています。また、筋肉は脳神経細胞や代謝免疫作用を活性化させるマイオカインという生理活性物質を出します。リンパ球などの免疫細胞を活性化させるグルタミンも多く蓄えられているので、筋肉量が減ると免疫力の低下を招き、肺炎などの感染症やがんにかかりやすくなると報告されています。さらに、筋肉は血糖値の調整も行っているので、筋肉量が減ると血糖値が上昇して糖尿病リスクもアップします」

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