「痩せ」が命を縮めるのはどうしてなのか…肥満よりも死亡リスク増

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 近年、高齢者で問題になっている「サルコペニア」は、加齢によって全身の筋肉量と筋力が減少し、身体能力が低下した状態を指し、さまざまな病気の原因になる。やはり痩せすぎはリスクといえる。

 脂肪も健康を維持するうえで欠かせない役割があるという。

「脂肪は、タンパク質・炭水化物と並ぶ3大栄養素のひとつで、われわれの体の約20%は脂肪で構成されています。エネルギー源の貯蔵庫としてだけではなく、ビタミン類の消化・吸収・運搬、体温の保持、臓器の保護、ホルモンなどの生成や分泌といった働きを担っています。そのため、脂肪が少なすぎると、外気温の変化への対応がうまくできなくなり、免疫力が低下して病気にかかりやすくなります。とりわけ、がん細胞はエネルギーを消費するため、栄養状態が悪く痩せている人は、それだけ早く体力が奪われ、がんに対する抵抗力が失われてしまいます」

4 / 5 ページ

関連記事